経営者向けコラム

会社の「適切な成長」はどのくらい?

先日、うちの社員が私に漠然とした質問をしてきました。

ある顧問先企業に対して、
「みんな頑張って会社も成長しているのに、社員はみんな辛そうにしている(疲弊)。
会社とは一体どこまで成長すれば良いものなのか?
(成長すればするほどみんな不幸になっているように見えるが…)」

彼が見たのは以下の光景です。よくある話ですが、
「会社が急成長したため、管理や人の能力が追い付いていない…。」

では、逆に「ゆっくり成長」すれば管理や人の能力は追いつくのでしょうか?
どうもそうは思えません。
むしろ早く成長した方がそれに合わせて人の成長も早いものです。

そもそも、「ゆっくり成長」なんてのがあるのでしょうか?
成長するときは、時流やタイミングで一気に行くものですし、そうならない場合はずーっと同じような規模で続いていく。
企業とはそんなものです。

彼の質問に対して、私の答えは
「どこまでいっても良い状態なんてない。成長すればするほど苦しい。
中小企業であれば、そもそも答えは「経営者がどうしたいか」、だけ。
社員のみんなが、自分の思いについてきてくれるように、日々誠意を持って伝え、幹部を育て、自ら努力精進するだけ。」
です。

成長することを選択した以上、管理や人の能力が追い付かないなら、追いつくように努力するしかない。
生みの苦しみはいつでも苦しいものです。そして、それを乗り越えた先にしか喜びはありません。
もちろん、「成長しない」(苦しまない)という選択肢も経営者の自由なのですから。

そうは言っても、冒頭のうちの社員が言ったようなことを自分の社員から言われると経営者は迷いが生じると思います。
このまま成長し続けることを選択するのが正しいのか。この辺で歩みを止めてもいいのではないか・・・。
タイトルに書いた、会社の「適切な成長」はどのくらいなのか?誰か教えてくれ!と言いたくなります。

しかし、誰も答えを教えてくれません。それがあなた(社長)の選んだ道なのですから。
唯一の答えは、あなたの会社の社員の姿(顔)にあるのではないでしょうか。
「疲弊し、疲れ切った顔」なのか、「困難を乗り越え、一回りも二回りも成長している顔」なのか。