経営者向けコラム

適切な「販路」について考える

先日、八天堂(くりーむパン等)の販売を手掛けている株式会社生産者直売のれん会の黒川社長の講演を聞く機会がありました。

八天堂自体は広島の老舗ですが、都内では黒川さんがJRの駅構内に1坪ショップの形で出店することで知名度を上げた店・商品(冷蔵くりーむパン)です。
商品の売上はその商品の良しあしだけでなく、「販路」も大事だという考え方を事例も交えてご講演いただき、その重要性を再確認しました。

例えば新宿駅などは一日あたりの平均乗降客数が70万人います。
もし新宿駅構内に出店すると、単純に70万人が店の前を通ることになります(実際はいろんな路線の合算なので、そんな数にはなりませんが、話を単純にするため)。
広島の一商店が、この「販路」に商品を置いたことで大成功したわけです。

もし、うちの商品をこの「販路」に乗せることができるなら、とんでもないことになる…!
地方でご商売をしている人にとっては、うらやましくてよだれが出る状況に映るのではないでしょうか。
駅ナカという販路は最強の販路のような気がします。

しかし、良く考えてください。
八天堂のくりーむパンは電車で移動する人たちが、駅の途中で買うニーズにぴったり合った商品だった。
振り返って、自社の商品は移動の途中に駅で買えてよかったと思う商品でしょうか。

例えば、当社の「経営コンサルティング」というサービスを駅の中で販売しようとしても、逆にうさん臭いと思われるだけです。

そう考えると、「販路」というのは、一概に人が多いところというだけではダメで、当たり前ですが、「その商品・サービスに合った、もっとも適切な場所」ということになります。

「いつ」「誰が」「何を」「どこで」「どのように」「いくらで」売るのか。
自社の強み、商品・サービスの特徴、強み、トレンド、ライバルの状況、市場、人の流れ、将来性…諸々。


簡単に結論は出ませんが、適切な「販路」を考えるということは、この5W2Hを常に考え続けることなのです。