健康経営優良法人とは?

「健康経営優良法人2018年版」の基準を社会保険労務士が解説します!

健康経営優良法人になるには

健康経営優良法人(中小規模法人部門)に申請できる法人は、常時使用する従業員の数が次のいずれかに該当する法人です。

  1. ① 卸売業:1人以上100人以下
  2. ② 小売業:1人以上50人以下
  3. ③ 医療法人・サービス業:1人以上100人以下
  4. ④ 製造業その他:1人以上300人以下

BTコンサルティング株式会社(本社:埼玉県、代表取締役社長:島崎久志)は、経済産業省および日本健康会議から「健康経営優良法人:中小規模法人部門」に2018年から3年間認定されています。

健康経営優良法人(中小規模法人部門) の認定基準

次の1~5の項目の全て満たさなければなりません。

  1. 1.「経営理念・方針(経営者の自覚)」の評価項目を満たすこと。(必須項目)
  2. 2.「組織体制」の評価項目を満たすこと。(必須項目)
  3. 3.「制度・施策実行」における(1)~(3)の中項目から、下記の項目数以上の評価項目を満たすこと。
    • (1)「従業員の健康課題の把握と必要な対策の検討」(4項目中2項目以上)
    • (2)「健康経営の実践に向けた基礎的な土台づくりとワークエンゲイジメント」(少なくとも1項目)
    • (3)「従業員の心と身体の健康づくりに向けた具体対策」(7項目中3項目以上)
  4. 4.「評価・改善」の評価項目を満たすこと。(必須項目)
  5. 5.「法令遵守・リスクマネジメント」の評価項目を満たすこと。(必須項目)

健康経営優良法人(中小規模法人部門)評価項目の解説

項目番号1
健康宣言の社内外への発信 ・経営者自身の健診受診

【適合基準】健康宣言の社内外への発信(以下①②のいずれにも該当すること)

  1. ① 経営者が、全国健康保険協会等保険者のサポートを受けて、組織として従業員の健康管理に取り組むことを明文化(健康宣言書の策定等)し、その文書等を従業員その他の関係者(ステークホルダー)に対し表示(発信)していること
  2. ② 健康宣言が明文化された文書は、事業所入口、会議室、応接室等に掲示する又はホームページに掲載するなど、従業員(社内)及び取引先や消費者など社会一般(社外)の利害関係者のいずれもが閲覧できる状態にすること

【項目番号1.経営理念・方針(経営者の自覚)】は【必須項目】です。
「健康宣言の社内外への発信」と「経営者自身の健診受診」に取り組まなければなりません。

「健康宣言の社内外への発信」は「健康宣言書」を作成して、社内外へ発信します。例えば、事業所入口掲示板への掲示、自社のホームページへの掲載や社内向けにメール配信、社外向けに求人広告への掲載等が該当します。
※「健康宣言書」とは、経営者が、全国健康保険協会等保険者のサポートを受けて、組織として従業員の健康管理に取り組むことを明文化したものです。

「経営者自身の健診受診」は、年に1回定期的に健康診断を受診します。申請書には、経営者の健康診断の受診日を記載します。受診のし忘れが無いように、自社の予定を立てるタイミングで、受診月日を決めておくといいでしょう。

項目番号2
健康づくり担当者の設置

【適合基準】

事業場ごとに従業員の健康管理(健康診断や保健指導の実施、特定保健指導の連絡窓口等の実務)を担当する者を定めていること(衛生管理者、(安全)衛生推進者、全国健康保険協会(協会けんぽ)の健康保健委員を、担当者の1人としてあてることも適合とする)

【項目番号2.組織体制】は【必須項目】です。
「健康づくり担当者の設置」をしなければなりません。

「健康づくり担当者」は、事業場ごとに従業員の健康管理(健康診断や保健指導の実施、特定保健指導の連絡窓口等の実務)を担当できる人です。具体的には、従業員の健康保持・増進に関する取り組みを実践する担当者です。経営者、産業医、保険者及び健康経営アドバイザー等と適切な報告、連絡及び相談等を行うことで、組織全体に取り組みを展開するために必要な組織体制を構築しなければなりません。

「健康づくり担当者」は、1社で1名ではなく、「事業場」ごとに必要です。申請書類には、全事業場数、事業場名、事業場ごとの健康づくり担当者等を記載する必要があります。

認定基準の【3.制度・施策実行】について

本大項目では、以下の3つの中項目の評価項目から、それぞれ一定数を満たすことが必要です。

  1. (1)「従業員の健康課題の把握と必要な対策の検討」では4項目中2項目以上
  2. (2)「健康経営の実践に向けた基礎的な土台づくりとワークエンゲイジメント」では少なくとも1項目
  3. (3)「従業員の心と身体の健康づくりに向けた具体的対策」では7項目中3項目以上

(1)「従業員の健康課題の把握と必要な対策の検討」では4項目中2項目以上が必要

項目番号3-1-1
定期健康診断受診率

【適合基準】以下①②のいずれかに該当すること

  1. ① やむを得ない理由がある者を除き、年に1回実施する定期健康診断における直近の受診率が100%であること
  2. ② やむを得ない理由がある者を除き、年に1回実施する定期健康診断における直近の受診率が95%以上であり、未受診者に対しては、早期に受診するように適切な受診勧奨を行っていること

【項目番号3-1-1】は「健康課題の把握」をするために、①定期健診受診率(実質100%)が評価項目です。
定期健康診断の実施日(期間)、対象者数、受診者数、未受診者数及び受診率を記載します。
未受診者に対する通知等、早期受診の勧奨を行った事実を記載することが必要です。
申請書には、上記①の場合は、定期健康診断の実施日(期間)、対象者数、受診者数、未受診者数及び受診率を記載します。上記②の場合は、上記の受診率等に加えて、未受診者に対する通知等、早期受診の勧奨を行った事実を記載します。

受診のし忘れが無いように、健康づくり担当者が確認する仕組みを決めておくといいでしょう。

項目番号3-1-2
受診勧奨の取り組み

【適合基準】以下①②のいずれかに該当すること

  1. ① 定期健康診断等の結果、精密検査が必要あるいは要治療の従業員に対して、受診を促すための取り組み又は制度があること
  2. ② 従業員に対し、がん検診等、任意検診の受診を促す取り組み又は制度があること
    *定期健康診断、保健指導、特定健康診査・特定保健指導の受診勧奨はこの項目には含まれない

【項目番号3-1-2】は「健康課題の把握」をするために、受診勧奨の取り組みが評価項目です。
各従業員が再診やがん検診等の任意健診を受診しやすい環境を整えているかが、ポイントになります。
申請書には、取り組みの概要及び取り組みの詳細(就業規則等の制度や受診を促すために実施している取り組みなど、受診勧奨の取り組みを行っていることの説明)を記載します。

例えば、

  • ・定期健康診断の再診に要する時間の出勤認定や特別休暇認定
  • ・休日等に健診、再検査等を受診した際の出勤認定又は有給の特別休暇の付与
  • ・がん検診等、任意検診の費用補助
  • ・定期健康診断の結果、精密検査や治療が必要と判定された従業員の受診勧奨
などが考えられます。
大事な人材を失わない仕組みづくりを負担なく、できるところから始めていくといいでしょう。

項目番号3-1-3
50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施

【適合基準】

従業員50人未満の事業場において、労働安全衛生法に定められたストレスチェック制度に準じて、ストレスチェックを実施していること
または、従業員50人未満の事業場がなく、労働安全衛生法の義務である従業員50人以上の事業場におけるストレスチェックを実施している場合も、本項目を満たしているものとする

【【項目番号3-1-3】は「健康課題の把握」をするために、50人未満の事業場におけるストレスチェックを実施しているかが、評価項目です。
50人未満の事業場の有無、ストレスチェック実施日(期間)、ストレスチェックの実施方法等を記載します。
従業員50人以上の事業場におけるストレスチェックの実施については、「5.法令遵守・リスクマネジメント」において、必須項目となっています。
申請書には、50人未満の事業場の有無、ストレスチェック実施日(期間)、ストレスチェックの実施方法等を記載します。

ストレスチェック制度の詳細については厚生労働省のHPを参照してください。
厚生労働省
「ストレスチェック制度導入マニュアル」
「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」

項目番号3-1-4
健康増進・過重労働防止に向けた具体的目標(計画)の策定

【適合基準】

従業員の健康課題を踏まえ、従業員の健康保持・増進、過重労働防止に関する計画を策定し、具体的な数値目標や計画、実施(責任)主体及び期限を定めていること

【項目番号3-1-4】は、組織の健康課題や労働環境の改善に向けた計画・具体的な数値目標を策定し、その達成・ 進捗状況の把握、評価等の実施(PDCAサイクルの構築)をする必要があります。
「計画・目標の策定」という取り組みを評価するため、目標の達成状況は問われません。
また、健康宣言書において何らかの数値目標を定めている場合や、既に定めている安全衛生計画等に従業員の健康保持・増進、過重労働防止に関する目標・計画の記載がある場合、適合します。
申請書には、健康増進・過重労働防止に向けた計画や目標策定の背景、策定者、具体的な内容等を記載します。

適合例
  • ・実施主体を明確にした安全衛生計画、健康増進計画等を策定
  • 「対象者への個別勧奨により今年度の精密検査の受診率を100%にする。担当:人事部」
  • 「禁煙プログラムへの参加者数を昨年比で10%増加させる。担当:総務部」
  • 「今年度の所属部署の従業員の有休取得日数を年間平均3日増やす。担当:各部署責任者」

(2)「健康経営の実践に向けた基礎的な土台づくりとワークエンゲイジメント」では少なくとも1項目が必要

項目番号3-2-1
管理職又は一般社員に対する教育機会の設定

【適合基準】以下①②のいずれかに該当すること

  1. ① 過去1年間少なくとも1回、管理職や従業員に対し、健康をテーマとした従業員研修を実施している又は外部機関主催の研修等に参加させていること(個人が任意で受けている研修等は含まれない)
  2. ② 過去1年間少なくとも1か月に1回の頻度で、全従業員に対し、健康をテーマとした情報提供を行っていること

【評価項目3-2-1】以下①又は②のいずれかを満たすことをもって適合となります。
申請書には、上記①の場合は、実施日、対象者や研修の内容等を記載します。上記②の場合は、実施日、対象者、情報提供の内容や頻度等を記載します。

適合例
① 研修等による場合
・従業員向け禁煙セミナー
・管理職向けのメンタルヘルスラインケア講習実施
・保険者が派遣する講師による食生活改善講座
・健康知識等の向上に関する研修や検定等の受講
・心身の健康増進を目的とした旅行(ヘルスツーリズム)を通じた従業員の健康知識の向上
② 定期的情報提供による場合
・朝礼において衛生管理者等の担当者から健康づくりについて説明
・回覧による健康課題の周知(感染症予防等)

項目番号3-2-2
適切な働き方実現に向けた取り組み

【適合基準】

組織として時間外勤務の縮減や有給休暇取得の促進など、仕事と家庭生活の両立に向けた環境づくりのための取り組みを継続的に行っていること(超過勤務時間の把握のみでは不適とする)

【項目番号3-2-2】は「ワークライフバランスの推進」のために、組織として時間外勤務の縮減や有給休暇取得の促進など、仕事と家庭生活の両立に向けた環境づくりのための取り組みを継続的に行っていることが必要です。ただし、超過勤務時間の把握のみではいけません。ワークライフバランスを維持・改善させる取り組みを促すことで、従業員のモチベーションの向上など、組織の活性化につなげる必要があります。
申請書には、施策の概要、施策の制定年月日、取り組みの種類や取り組みの詳細等を記載します。

適合例
  • ・定時消灯日・退出日(ノー残業デー等)の設定
  • ・業務繁閑に対応した休業日の設定
  • ・超過勤務時間の削減を管理職の評価項目に設定
  • ・年次休暇取得の目標設定

項目番号3-2-3
コミュニケーションの促進に向けた取り組み

【適合基準】

従業員同士のコミュニケーション向上に寄与するイベント等の取り組みを過去1年間に少なくとも1回以上定期的に実施している又は外部機関主催のイベント等に組織として参加していること(単に従業員の中の有志により開催・参加を募ったものは不適とする)

【項目番号3-2-3】は「職場の活性化」のために、コミュニケ-ションの促進に向けた取り組みが必要です。
従業員同士のコミュニケーション向上に寄与するイベント等の取り組みを過去1年間に少なくとも1回以上定期的に実施している又は外部機関主催のイベント等に組織として参加していることが必要です。ただし、単に従業員の中の有志により開催・参加を募ったものは不適となります。
申請書には、取り組みの概要、実施日、対象者や参加者、取り組みの詳細等を記載します。

適合例
  • ・執務室におけるフリーアドレス(固定席の廃止)の導入
  • ・心身の健康増進を目的とした旅行(ヘルスツーリズム)の実施
  • ・家族同伴の社内運動会
  • ・社内歩数競争による日々のコミュニケーション増加

項目番号3-2-4
病気の治療と仕事の両立の促進に向けた取り組み

【適合基準】

従業員の病気の治療と仕事の両立支援に向けて、組織としての取り組みを行っていること
具体的には、治療を要する従業員の相談窓口等を明確にし、その周知を図っていること、あるいは対象者の支援体制の整備等の対策を定めていること

【項目番号3-2-4】は、「病気の治療と仕事の両立支援」のために、病気の治療と仕事の両立支援に向けた取り組みが必要です。具体的には、治療を要する従業員の相談窓口等を明確にし、その周知を図っていること。あるいは対象者の支援体制の整備等の対策を定めていることが必要です。
申請書には、従業員の病気の治療と仕事の両立に向けて、制度や仕組みが整備されていることを記載します。

適合例
  • ・職場に「健康づくり支援スタッフ」等の相談者を設置し、傷病をかかえる従業員及び配慮や支援を行う管理職及び周囲の同僚の相談窓口として機能させている
  • ・対象者の支援のために関係者(本人、上司、人事、健康管理スタッフ)が会議を行い、勤務時間・作業内容・通勤方法等の就業上必要な対応の策定
  • ・入院治療や通院のために、年次休暇とは別に傷病休暇・病気休暇を取得できる制度を整えている(有給・無給に関わらず)

(参考)厚生労働省「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000115267.html

(3)「従業員の心と身体の健康づくりに向けた具体的対策」では7項目中3項目以上が必要

項目番号3-3-1
保健指導の実施又は特定保健指導実施機会の提供に関する取り組み

【適合基準】以下①②のいずれかに該当すること

  1. ① 労働安全衛生法に基づく一般定期健康診断等の結果、特に健康の保持に努める必要があると認められる従業員に対し、医師又は保健師による保健指導の機会を提供していること
  2. ② 保険者による特定保健指導の実施を促すため、指導時間の就業時間認定又は特別休暇認定や指導のための場所の提供等の取り組みを行っていること

【項目番号3-3-1】は、「保健指導」のために、保健指導の実施又は特定保健指導実施機会の提供に関する取り組みが必要です。

以下①又は②のいずれかを満たすことをもって適合とする。

【選択式】
  1. ① 労働安全衛生法に基づく一般定期健康診断等の結果、特に健康の保持に努める必要があると認められる従業員に対し、医師又は保健師による保健指導の機会を提供していること。
  2. ② 保険者による特定保健指導の実施を促すため、指導時間の就業時間認定又は特別休暇認定や指導の ための場所の提供等の取り組みを行っていること。

申請書には、上記①の場合は、保健指導が必要な従業員の受診のために行った取り組みについて記載します。
上記②の場合は、就業規則等により制度や仕組みが整備されていること、又は社内通知等による取り組みを行ったことを記載します。

適合例
① 保健指導の場合
・一般定期健康診断の結果、保健指導が必要と判断された対象者に対する保健指導の機会の提供
② 特定保健指導の実施機会の提供の場合
・特定保健指導実施時間の出勤認定、特別休暇認定
・従業員の特定保健指導受診のための勤務シフトの時間調整
・全国健康保険協会等保険者による特定保健指導の実施支援(特定保健指導実施場所の提供等)

項目番号3-3-2
食生活の改善に向けた取り組み

【適合基準】

従業員の健康課題に基づき、従業員の食生活の改善に向けた普及啓発等の取り組みを継続的に行っていること(従業員の健康増進に向けた目標(【項目番号3-1-4】参照)や、従業員の健康課題をもとにしていない取り組みは不適合とする)

【項目番号3-3-2】は、「健康増進・生活習慣病予防対策」のために、食生活の改善に向けた取り組みが必要です。生活習慣病等による欠勤、病休等を防ぐため、従業員の食生活改善を促す取り組みを行います。
申請書には、従業員の健康課題に基づき、食生活の改善に向けた制度や仕組みが整備されている又は社内通知等取り組みを行ったことを記載します。

適合例
  • ・従業員の野菜摂取量の増加のため、健康に配慮した仕出し弁当の利用促進や社員食堂における健康メニューの提供
  • ・従業員の健康意識の向上のため、社員食堂における栄養素やカロリー情報の表示
  • ・従業員の健康意識の向上のため、自動販売機の飲料の内容を低糖・低カロリーのものに変更
  • ・朝食をとらない従業員への朝食の提供
不適合例
  • ・社員向け研修で昨年1度行った食に関するセミナー

項目番号3-3-3
運動機会の増進に向けた取り組み

【適合基準】

従業員の健康課題に基づき、従業員の運動機会の増進に向けた取り組みを継続的に行っていること(従業員の健康増進に向けた目標(【項目番号3-1-4】参照)や、従業員の健康課題をもとにしていない施策は不適合とする)

【項目番号3-3-3】は、「健康増進・生活習慣病予防対策」のために、運動機会の増進に向けた取り組みが必要です。従業員の健康課題に基づき、従業員の運動機会の増進に向けた取り組みを継続的に行っています。
ただし、従業員の健康課題をもとにしていない施策は不適合となるので、注意が必要です。
申請書には、従業員の健康課題に基づき、従業員の運動機会の増進に向けた取り組みを継続的に行っていることを記載します。

適合例
  • ・従業員の運動不足解消のための、徒歩や自転車での通勤環境の整備
  • ・従業員の運動不足解消のための、日々のラジオ体操の実施
  • ・心身のリフレッシュを促すための、ストレッチの実施やクラブ活動の促進
  • ・従業員の歩数増加のための、従業員対抗歩数競争
  • ・従業員の運動不足解消のための、フィットネス利用料の会社負担
  • ・心身の健康増進を目的とした旅行(ヘルスツーリズム)を通じた運動知識の向上と運動機会の提供
不適合例
  • ・社員向け研修で行った運動に関するセミナー

項目番号3-3-4
受動喫煙対策に関する取り組み

【適合基準】

従業員の受動喫煙防止に向け、全ての事業場において、敷地内禁煙、屋内完全禁煙又は喫煙室内以外禁煙を行っていること(喫煙室内以外禁煙においては、非喫煙場所にたばこの煙や臭いが漏れないよう措置を講じていること)
※「健康経営優良法人2019」の認定基準では必須項目とする。

【項目番号3-3-4】は、「健康増進・生活習慣病予防対策」のために、受動喫煙対策に関する取り組みが必要です。「健康経営優良法人2019」の認定基準では必須項目になります。

従業員の受動喫煙防止に向け、全ての事業場において、敷地内禁煙、屋内完全禁煙又は喫煙室内以外禁煙を行っていることをもって適合とする。 なお、喫煙室においては、非喫煙場所にたばこの煙や臭いが漏れないよう措置を講じていること。

申請書には、従業員の受動喫煙防止に向け、禁煙や分煙などの取り組みを実施していることを記載します。

職場における喫煙対策のためのガイドライン(平成15年5月9日 厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2003/05/h0509-2.html

項目番号3-3-5
従業員の感染症予防に向けた取り組み

【適合基準】

従業員の感染症予防に向けて予防接種に要する時間の出勤認定、感染者の出勤停止等、感染症予防や感染拡大防止に向けた取り組みや制度を実施していること

項目番号3-3-5】は、「感染症予防対策」のために、従業員の感染症予防に向けた取り組みが必要です。
経営者及び担当者が、従業員の感染症予防や感染者対策に関する環境を整えることで、欠勤、病休等を予防するための取り組みを行います。
申請書には、従業員の感染症予防に向けて、制度や仕組みが整備されている又は社内通知等で取り組みを行っていることを記載します。

適合例
  • ・予防接種時間の出勤認定
  • ・予防接種実施場所の提供
  • ・風しんやインフルエンザ等の予防接種の費用負担
  • ・感染者の出勤停止や特別休暇認定制度の設置
  • ・アルコール消毒液の設置やマスクの配布
不適合例
  • ・感染症対策や予防接種に関する情報提供(回覧板、メール、朝礼等)

項目番号3-3-6
長時間労働者への対応に関する取り組み

【適合基準】

従業員の労働環境を踏まえ、長時間労働者(超過勤務80時間を超える者)が発生した場合(管理職を含む) の対策等、過重労働防止に向けた具体的な対応策を事前に定めていること
ただし、過去1年間において、従業員(管理職を含む)の超過勤務時間が45時間を超える月がない場合には、基準を満たすものとして取り扱う

【項目番号3-3-6】は、「過重労働対策」のために、長時間労働者への対応に関する取り組みが必要です。
従業員の労働環境を踏まえ、長時間労働者(超過勤務80時間を超える者)が発生した場合(管理職を含む。) の対策等、過重労働防止に向けた具体的な対応策を事前に定めている必要があります。ただし、過去1年間において、従業員(管理職を含む。)の超過勤務時間が45時間を超える月がない場合には、基準を満たすものとして取り扱います。
申請書には、超過勤務時間が月45時間を超える従業員が存在する場合は、80時間超の超過勤務が発生した場合の対策を、過重労働防止計画その他規定等に明記している事実について、該当箇所の抜粋を記載します。
超過勤務時間が月45時間を超える従業員が存在しない場合は、「申請日から過去一年間において、超過勤務45時間を超える長時間労働者は存在しなかった」ことを記載します。

適合例
  • ・過重労働防止計画に記載されている具体策。
  • ・組織として、過重労働防止に向けた対応策を策定し、実行している。
  • 「超過勤務時間が月80時間を越える労働者に対して、本人の申出の有無にかかわらず産業医面接指導を受けさせる」
  • 「命令時間以降残っていた従業員には管理職が必ず早期帰宅の呼びかけを実施する」
  • 「退勤から出勤まで最低8時間の勤務時間のインターバルを取る」 等
不適合例
・長時間労働に関するセミナーを実施
→【項目番号3-2-1】「管理職又は従業員に対する教育機会の設定」に該当するため、ここでは不適とする。
・ノー残業デーの設定
→【項目番号3-2-2】「適切な働き方実現に向けた取り組み」に該当するため、ここでは不適とする。
・対応策として策定はしていないが、長時間労働者が発生する度に、その都度、産業医に紹介する。
→本項目は予防策を評価する項目であるため、予め対応策として策定してない場合には不適とする。

(参考:過重労働対策に関するガイドライン)
労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(厚生労働省 平成29年1月)
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/dl/151106-06.pdf

項目番号3-3-7
メンタルヘルス不調者への対応に関する取り組み

【適合基準】

メンタルヘルス不調予備群に対する相談窓口を設置し、その周知を図っていること又は不調者が出た場合の支援体制の整備等の対策を定めていること
なお、ストレスチェック実施の範囲内の対応のみは不適合とする

【項目番号3-3-7】は、「メンタルヘルス対策」のために、「メンタルヘルス不調の予防、不調者への対応に関する取り組み」が必要です。
「メンタルヘルス不調予備群に対する相談窓口を設置し、その周知を図っていること又は不調者が出た場合の支援体制の整備等の対策を定めていること」が必要です。「ストレスチェック実施の範囲内の対応のみ」は不適合となるので、注意が必要です。
申請書には、メンタルヘルス不調予備群に対する相談窓口設置又は支援体制が整備されていることを記載します。

適合のポイントは、
予防策を評価する項目であるため、予め対応策として策定してない場合には不適合となります。メンタルヘルス不調予備群に対する相談窓口設置又は支援体制を整備します。

例えば、

  • ・組織として、メンタルヘルス不調者に向けた対応策をあらかじめ策定し、対象者がいる場合には実行している
  • 「対象者には定期的な医療関係者(第三者)面談を実施」
  • 「対象者の復帰時は医師の意見を聞いて、適宜状況に合わせて支援することとする」
  • 「対象者の復帰時に当たっては、短時間勤務、業務制限等、配慮をすることとする」等
  • ・相談窓口の設置
  • 「外部の相談窓口と契約し、当該窓口の利用を促している」

項目番号4
(求めに応じて)40歳以上の従業員の健康診断データの提供

【適合基準】以下①②のいずれかに該当すること

  1. ① 保険者に対し、従業員の40歳以上の健康診断データを提供していること
  2. ② 保険者からの求めに応じ、40歳以上の従業員の健康診断データを提供する意志表示を保険者に対し行っていること

【【項目番号4】は、「4 評価・改善」は、【必須項目】です。
「保険者との連携」のために、「(求めに応じて)40歳以上の従業員の健康診断データの提供」が、求められています。各保険者との同意書の中身を確認し、下記の①又は②のいずれかを満たす必要があり、承諾します。

  • ① 保険者に対し、従業員の40歳以上の健康診断データを提供していること。
  • ② 保険者からの求めに応じ、40歳以上の従業員の健康診断データを提供する意志表示を保険者に対し行っていること。

健康経営推進支援コンサルティング

健康経営優良法人」の認定をめざし、
現在の取り組みへの評価とPDCAサイクルの確立を支援します

企業が従業員の健康保持や増進に主体的かつ積極的に関わることで、生産性や収益性などが高まり、市場における企業価値の向上につながるという「健康経営」という考え方が定着しつつあります。この健康経営への取り組みが優れているかどうかは、「健康経営優良法人」に認定されることが一つの指標になっています。BTコンサルティングでは、現在の取り組みを評価し、その結果を踏まえたPDCAサイクルの確立を支援します。
※「健康経営」は、特定非営利活動法人健康経営研究会の登録商標です。

サービスの内容

BTコンサルティングでは、「健康経営優良企業」に認定されるために必要な取り組みを健康経営アドバイザーが現状分析します。不足については必要事項を整理し、今後の取り組みのロードマップを策定します。

step 1
フェーズ
  • ・タスク
step 2
現状分析・評価
  • ・現状の取り組みと施策の確認
  • ・ベストプラクティス(健康経営取得企業)とのギャップ分析
step 3
やるべきことの洗い出し
  • ・対応方針の策定
  • ・対応方針を基にしたやるべきことの洗い出し
step 4
計画策定
  • ・やるべきことの実施・体制の構築