先日クラウドワークスを通じて複数の協力業者に仕事を発注しました。案件の相場感がわからなかったので、とりあえず感覚的にこちらで設定した価格で公募し、もし応募者がいなければ修正しよう、と考えておりました。
ふたを開けてみると多くの業者から応募があったため、これが適正価格なのかと思っておりました。
ところが、そのときの価格を基準にして別の仕事をご依頼すると、いくつかの会社から「実は最初の受注が安すぎた」ので、この値段では受けられないというご回答をいただきました。
なるほど、申し訳ない、次はもっと適正な価格でこちらも発注しないといけないのですね。
「値決めは経営である」と、稲盛さんがよく言っています。
『稲盛和夫の実学』(日本経済新聞社)という書籍の中にも以下のような記述があります。
「値決めは単に売るため、注文を取るためという営業だけの問題ではなく、経営の死命を決する問題である。
売り手にも買い手にも満足を与える値でなければならず、最終的には経営者が判断すべき、大変重要な仕事である」
仕事が欲しいからといってひたすら安値で受けていたら商売にならない。
お客様が喜んで買ってくれる最高の値段を見抜いて、その値段で売ることが重要であり、それを決めるのが経営者の仕事だと、稲盛さんは言っているのです。
それを踏まえて、自社の商品(製品、サービス)の価格はいかがですか?
適正ですか?
安すぎることはないですか?
逆に高すぎることはないですか?
お客様はその「商品」を買うのではなく、その「商品」によって得られる「価値」にお金を払います。
私たちがどんな価値を提供しているのか、を徹底的に考え、その価値を金銭に換算した額の設定が「値決め」になります。
もちろん、価値の中には市場、相場、他社商品、ブランド、感覚など様々な変動要素が含まれています。
その「価値」を的確に「価格」に反映させていますか?
自社の犠牲のもとに成り立つ価格はダメです。
お客様に過剰な期待を抱かせるような価格もダメです。
自信を持って価格提示できる会社、経営者になりたいものです。