先日、新聞のスポーツ欄に面白い記事がありました。
レアルマドリードのクリスティアノ・ロナルドがゴールを決めたことについて、以下のように書いてありました。
「63分、自らボールを運んだ速攻で右のアンドレ・ゴメスを待ち、預けた後の戻しでシュートを放った。」
私の目が釘付けになったのは、この後の記述です。
「プレーを簡略化し、余計なことはしない。
守備での貢献は皆無。
得点こそ自分の仕事であり、同僚が望むことなのだと頭にすり込み、そのためのマシンと化す。…」
これこそ、究極の組織論です。
組織とは、一人ひとりの強みを組み合わせて、一人ではできない仕事を為し遂げること。
これに対して、各自が自分以外の仕事をカバーし合って、弱みをフォローしながら一人ではできない仕事を成し遂げるという発想もあります。
日本人のメンタリティから考えると、献身的に広い範囲に目配り気配りができ、自分の領域以外の仕事まで引き受ける人の方が組織では評価されます。
したがって、後者の方が組織の成果と思ってしまいがちです。
しかし、本当に強い集団を作りたいのであれば、各人がプロ意識を持ち、仲間を信じて自分は自分の持ち場での究極の成果を追い求める、それが結果として最強の組織を作っていく。
できる人が中途半端に穴を埋めるあいまいな優しさより、本当の意味で仲間のことを考えているのは、こちらの発想ではないでしょうか。