経営者向けコラム

自社の付加価値が下がっていることに気づいていますか

早いもので今年も残りあと1ヵ月となりました。
あらためて今年のGDP統計資料を見ていて、あることに気づきました。
ざっくりですが、2017年の日本のGDPが4.8兆ドル。
アメリカは19.3兆ドルとのこと。
ざっと日本の4倍です。

GDPは超単純に言うと国民全員の儲けの総和なので、アメリカの人口が日本の約2.5倍であることを考えると、アメリカ人は日本人よりも2倍近く儲けていることになります。
ちなみに、20年前(1997年)の統計を見てみると、日本が4.4兆ドル、アメリカが8.6兆ドル(日本の約2倍)で、当時もアメリカの人口は日本の2倍程度だったことを考えると、20年前は日本人とアメリカ人の稼ぎはほぼ一緒だったわけですね。
それがこの20年間で、2倍近く引き離されたわけです。
儲けとか稼ぎという言葉を使いましたが、もっときちんと考えると、日本人の生み出す付加価値が20年前からほとんど変わっていない(人口もほぼ変わらず~減少)。
私たち企業で言えば、20年前から粗利がほとんど変わっていないということです。

ご存知のように、この20年間でアメリカは金融やITなど世の中を変えるような世界的企業がどんどん生まれています。
それがアメリカの付加価値を高めている要因でしょう。
しかし、そんな大きな話は置いておいて、自分の会社を振り返ってください。
統計が正しければ、あなたの会社もお客様に提供している「価値」が下がっているはずです。
昔はこれで満足していたお客様が、今は満足していないはずです。
熱く燃えていた社員が今は淡々と日々の仕事をしているはずです。
ベテランにはことなかれ主義がまん延し、多くの若手は仕事以外のことに価値を見出そうとしているはずです。
これが日本の目指すべき成熟社会の在り方とは、私にはとても思えません。

私たちが個人として社会を変えることは難しいです。
しかし、社長自身が変わり、自分の会社を変えることはできます。
もっと付加価値を上げるにはどうしたら良いか。
過去を全否定しても良いと思います。
それは社長にしかできない仕事です。
自分たちの価値を徹底的に見直してください。