経営共創基盤CEOの冨山和彦氏が安倍首相に行ったプレゼンテーションの内容と文部科学省が公開した資料が話題になっています。
人材をG型とL型に分けて、大学教育もそれぞれ専門化した職業訓練的な内容に特化していくべきとの提言です。
冨山和彦 「我が国の産業構造と労働市場のパラダイムシフトから見る 高等教育機関の今後の方向性」(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/061/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2014/10/23/1352719_4.pdf)
ここに至る背景には様々な研究や思考があってのことだと思いますので、「簡単に言うとこうだ」というのは申し訳ないのですが、あえて簡単に言うとこうです。
「優秀な少数の日本のリーダーたるべきG(グローバル)型人材には徹底的な高等教育を施すべし。
その他大勢のL(ローカル)型人材には、現場の生産性を上げるような職業訓練的教育をすべき。
こんな連中は、経営学部で「マイケル・ポーター」なんか教えてるヒマがあったら、「弥生会計」の使い方を教えたほうがよっぽど企業の役に立つ。」
当然ながら、賛否両論。
とくに賛よりも否のほうが盛り上がっています。
なぜなら、強烈な選民思想とエリート主義のにおいがプンプンしてくる、かつ、冨山さん自身が東大、司法試験合格、ボストンコンサルティング、スタンフォードMBA、産業再生機構COOという超エリート街道を突っ走っていることも火に油を注いでいます。
どんなに理論的に論理展開しても、結局「バカはつべこべ言わずに働け」と言っているように感じてしまうのかな(笑)。
私個人としては、どっちでもいいと思っています。
なぜなら、日本の中小企業を支えているのは大卒、高卒、中卒かかわらず、仕事を通じて習熟度を上げ、気付いてみたらその仕事を続けていた、という人ばかりです。
G型もL型も関係ない。
初めからやりたかったわけではないけど、縁あってこの仕事をしている。
他に行くところもないから続けている。
やっているうちに天職であることに気づいた。
社長の人柄に惚れたから続けている…。
冨山さんの言いたいこともわかります。
でも、大学でどんな教育をしたって、主体性を持ってことに当たり、自ら成長したいと思う人でなければ、その効果は得られません。
逆にどうすればそういう若者が育つのか。
国の政治や経済、社会の諸先輩たちの生き方・有り方が全てだと思います。