経営者向けコラム

問題がないことを喜んではいけない

従業員に「何か問題あるか?」と尋ねたときに、
「大丈夫です」とか、「とくにないです」という返答が返ってきたときに安心してはいけません。
(もちろん会社の話です。プライベートはまた別)

「問題」というのは、「あるべき姿」と「現状」との間にある違和感、ギャップを社員が感じ取っているかどうか、ということ。
問題が「ある」のではなく、あるのは単なる事実・事象です。
それを従業員が問題と感じるかどうか、要は意識を持って問題と「する」かどうかということなのです。

また、社長、管理職、作業者など、立場によってものの見方が変わってきます。
したがって、同じ事象を見ても、感じ方が変わります。

ゴミが床に落ちているのを見たときに、社長なら「俺が拾わないと、誰も拾わないのか?この会社は大丈夫か…」と従業員のモラルの部分に問題意識を持つかもしれません。
一方で、若手従業員は「誰か拾ってくれ。俺、めんどくさいし…」と自分の仕事が増える問題として捉えるかもしれません。
あるいは「ゴミがない」というあるべき姿すら考えることなく、何もギャップを感じないで、本当に「問題ない」と答えるかもしれません。

そんなわけで、冒頭書いたように従業員が「問題がない」ということほど大問題はないと思っています。

むしろ、「問題あるか?」と尋ねたときに、従業員から10個も20個も「問題」が出てくるほうが健全な会社だといえます。
ただし、それが「不平不満」ばかりだと、それはそれで問題ですが(笑)。