経営者向けコラム

今こそ勝ち残る企業へ

先日、倒産や事業再生を専門としている弁護士さんと話す機会がありました。
気になっていることを色々聞いてみました。

現在、国内の景気が上昇していますが、実際に倒産、廃業の相談件数も5年前から比べると三分の一くらいになっているそうです。
金融円滑化法が昨年3月に期限切れになった以降も激変緩和措置として返済猶予を求めていた金融庁が、今年の3月以降は逆に延命ではなく転廃業を促す方向に舵を切ったというニュースがありました。
実際に金融機関の現状はどうなのか?と伺ってみると、まだそこまでの変化は出ていない、とのことでした。

上場企業でも過去最高益を更新する企業が続出するなど、ともすると世の中全部が上向いているような錯覚を起こします。

では、実際に私が関わっている業界や、中小企業家同友会の仲間の社長などはどうかというと、「勝ち組」と「負け組」がはっきりしてきた、というのが現状です。
けして全体が上向いているわけではありません。

私なりの分析ですが、
負け組の特徴は、お客様を「マーケット」として大雑把にとらえており、今まで通りのやり方で商売を継続している会社が多いです。
これに対して、
勝ち組の特徴は、お客様を「一人ひとり(一社一社)個別の特徴を持った存在」としてとらえ、顧客に密着し、その要望に合わせて柔軟に変化している会社が多いです。

私の顧問先企業で言えば、今はこの中間くらいのところに位置しており、何とか勝ち組として生き残れるように柔軟な変化にチャレンジしている会社が多いです。
生みの苦しみの最中です。

世の中の景気が上向いたことで、なんとなく現在の商売を続けられていたとしても、それでは先がありません。
今だからこそ、勝ち残る企業へ自ら体質転換しなければならないと考えています。