マーケティングの大家、フィリップ・コトラーの言う「商品力」の定義をご存知でしょうか?
3つの円が中心から順に重なり、真ん中が「中核部分」、その周囲を「実態部分」が囲み、一番外側を「付随部分」が囲んでいます。
中核部分というのは、「お客様に提供する価値、便益。」
実態部分というのは、「品質、デザイン、機能、パッケージ、ブランド」など。
付随部分というのは、「保証、アフターサービス、配送」など。
これらが全て相まって、一つの商品の「商品力」ができているのです。
この中で一番大事なのは、やはり「中核部分」です。
よく、「ドリルを売るなら穴を売れ」という例え話で語られています。
ドリルを買うお客様は、実はドリルが欲しいわけではない。
「穴」がほしいのだ。
最も欲しい「穴」を得るための手段として、ドリルを買っているのである。
それを忘れてはいけない、という例え話です。
振り返って、自社の商品の「中核部分」、つまり、お客様に提供している「価値・便益」は何でしょうか?
私の会社の例で考えてみると、私が提供する商品の中核部分は「コンサルティング」ではないわけですね。
これは「ドリル」であって、実態部分です。
私なりに考えているのは、当社の中核部分としてのお客様にとっての価値・便益というのは、お客様の「事業の目的・意義の実現」、もっと身近なところで言うと、お客様が「儲かること」だと思っています。
これを抜きにして、私がいくら偉そうなことを語っても、かっこいい資料を作っても、おしゃれな服を着ても、商品力は低いと言わざるをえないでしょう…。
もちろん、中核部分があればその周りの部分が不要と言っているわけではないです。
最初に書いたように、「商品力」というのは、中核、実態、付随の各部分が全て相まってできているのですから。
ただ、普段から実態部分、付随部分には目が行きますが、あらためて「中核部分」は何だと言われると、ぼやけてしまっていることも多いです。
ぜひ、自社の商品力の「中核部分」(「ドリル」ではなく「穴」)を今一度しっかり考えてみてください。