経営者向けコラム

転職者のスキルをどこまで活かしていますか?

うちの近所に丸亀製麺ができたので、昨日行ってみました。
注文時に気づいたのですが、うどんを茹でている人にどうも見覚えがあります。
近所の人?いや違う。
どこで会ったか思い出せないのですが、どこかで会った気がします。
うどんを食べながら、味よりもそっちの方がずっと気になっていました。

家に帰ってきてから、「あ!」と思い出しました。

以前、ある精密機械メーカーのコンサルティングを担当したのですが、確か、そこの会社の開発部門で設計をやっていた方です。
バリバリの技術者です。
そのときの開発者のイメージと、かっぽう着でうどんを茹でているイメージがあまりにもかけ離れていたためすぐに気付きませんでした。
先方も私に気づかなかったので会話はしていませんが、お互いに転職して違う人生を歩んでいるのだな…、と妙に感慨深い気分になりました。

さて、
機械設計とうどん作りはあまりにも業種がかけ離れているために、前職のスキルを活用する機会は少ないかもしれません。
しかし、皆様の会社では、どこまで前職のスキルを意識した採用をしていますか?

中小企業では、職安などを通じて実に様々な職歴をお持ちの方が求人に応募してきます。
本当は、ピンポイントで専門的な知識、スキルを持った人がほしいのですが、そんな都合の良い人は滅多に来ません。
たまたま多少それに近いスキルを持っている人が来ても、いざ採用してみると「人材活用のノウハウ」みたいなものがないので、とりあえず目の前の仕事をやってもらう、結局キャリアを活かせない…ということになりがちです。

一方で転職する側としても、自分のスキルにこだわり過ぎてしまうと職探しが難しくなってしまうので、ある程度の年齢になればなるほど「何でもやります。仕事があるなら!」というスタンスになってしまいます。

採用する側、転職する側、お互いの微妙な対応の結果、「年齢は結構いっているのに考え方も行動も新人」という人が社内に生まれてしまうのです。

これは本当にもったいない。
人生経験のある人には、それなりのものを要求する。
持っているものをどんな形でも全部出してもらうように導く。
転職者は遠慮もあると思いますので、社長の側でぜひ、そのような環境を作ってください。
ぜひ、限りある人的資源を有効に活用してください。

皆さまの会社はいかがですか?