経営者向けコラム

考えない社員

顧問先企業で朝礼を実施している企業がたくさんあります。
先週ある会社の朝礼に参加したときの話です。
その会社では倫理研究所の「職場の教養」を毎日読んで、ランダムにあてられた人が1分程度で意見・感想を述べる、ということをやっています。

社員が毎日いろいろなことを考えるきっかになればよいし、あてられた人が人前で話す訓練になればよい、という社長の思いから始まりました。

その日のテーマは「良き習慣を身につけましょう」という話でした。
指名された社員のAさんは、

「今まで良い習慣はありませんでした。これからは良い習慣を身につけたいと思います。よろしくお願いします。」・・・。

5秒です。
次があるのかと思ったら、これで終わりです。

いかがでしょう?
せっかく、会社が考える機会を与えているのに、これではなんにもなりません。

実際、彼は何にも考えていません。
こんなスピーチはロボットでもできます。
「今まで○○できませんでした。これからは○○したいと思います」の○○に自動で言葉を入れるだけです。

貴社の社員は「考える社員」ですか?

もし、「考えない社員」が大半を占めていたら、会社はつぶれてしまいます。
ましてや、社長、幹部が優秀かつリーダーシップを持つカリスマであるが故に、社員が考えなくてもそれにしたがっていれば何とかなってしまう場合には要注意です。
考えない社員を社長自らが作ってしまっているわけです。

いちいち社員に考えさせていたら日が暮れてしまう!!と思う社長もいるかもしれませんが、そこはぐっとこらえて、社員が少しでも「考えていない」姿を示したら、自ら突っ込んでください。

つっこみの基本は「5W1H」です。
いつ?、どこで?、誰が?、何を?、どうやって?を、しつこいくらい詰めてください。

社員がこれを言わない限り、解放しない。
社長につかまったら最後!と思わせてください(パワハラ!(笑))。

先ほどのAさんのような報告を聞いたら、
「具体的にはどんな良い習慣をつけたいの?それはいつから始めるの?どうやってやるの?なんでそう思ったの?」とすかさず突っ込んでください。

いちいち面倒くさいですが、こうした地道な取り組みこそが、いずれは会社が成長・発展する基礎になるのです。