本田宗一郎が母校に送った石碑には、一言、「試す人になろう」と刻んであります(浜松市立光明小学校)。
本田宗一郎は生前にこんなことを言っていたそうです。
人生は見たり、聞いたり、試したりだ。
しかし、多くの人は見たり、聞いたりばかりで試したりしない。
成功と失敗は裏腹。
やりもしないで失敗を恐れていては、成功もしない、と。
確かにそうですよね。
試さなければ失敗もないでしょうが、成功もしない。
良くて現状維持。
考えさせられます。
みなさんは「試す人」になっていますか?
一方、私の仕事で考えてみると、最近は真逆の「試す人の足を引っ張る人」になっていることが多々あります。
職業柄、安易な事業計画に対して「ダメ出し」をすることが多いので、新たなことを「試そう」と思っている社長にとっては、「邪魔をする人」ですね。
しかし、事業において経営者が「試す人」になる場面というのは、あくまでも「本業」に対してであると解釈しています。
今やっている事業を必死に考えて、考えて、そして試して、失敗して、また考えて、そしてまた試して、ということの繰り返しの中でかすかに光る「成功」を手にする、ということが本田宗一郎も言いたいのではないでしょうか。
本業の売上が伸びない。
隣の芝生が青く見えて、そっちをやってみようかな…。
というときに「試す人」という言葉はふさわしくない。
往々にして、そういうときは現状を打開するためと言いながら、実は現実逃避していることが多いです。
本業で結果を出すためには、まだまだやるべきことは山ほどあります。
これらを必死に考えて死ぬ気でチャレンジしていくことが本当の「試す人」ではないでしょうか。