経営者向けコラム

マネをすることも大事

前回、大手居酒屋チェーンのマネの話をしました。
マネをすることのマイナス面を強調しましたが、今回は全く逆で、マネをすることがいかに大事か、という話をします。

先週、ベンチャーから一代で300億以上の企業に育て上げたある社長と話しをしました。
「成功の秘訣はどこにあるのか?」と伺ってみました。

社長いわく、
「いい会社のマネをしたこと」
だそうです。

「業種業界を超えて、世の中には成功している会社がたくさんある。
そんな会社には、必ず成功の理由ともいえる良いところがたくさんある。
それを自分たちの会社に取り入れて、自分たちなりにやってみることだ。

自分の頭で考えて何かをやろうとしていたら、ここまで成長できなかっただろう。
所詮この程度の自分の頭では限られたことしか思いつかないから(そんなことありません。謙遜です!!)。
だからこそ、素直に良いと言われていることを取り入れてやってみるのだ」と。

すごいですね。
これだけ成功しても、おごることなく、素直にこのような発言ができることが。
私なんか、「俺が考えた!!俺はすごいだろ!!」と言ってしまいそうです。

昔、大手コンサルタント会社にいたころには、お客様から「○○業界の経験はありますか?」とか、「うちの業界は特殊なので、できれば○○業界に詳しい人を連れてきてください。」とか、よく言われました。
確かに、知識やオペレーションに関しては、その業界特有のことがたくさんあります。

しかし、経営の原理原則というのは、業種業界を超えて普遍的なものがあると思います。

この社長のように、同業種以外でも、成功している会社の本質を見極めて、自分が良いと思うことはどんなことでも取り入れてみる。
そのような観点で社会を見渡してみると、実は自分の周りにあるものが全て経営の師、人生の師に見えてくるのではないでしょうか。

マネをするということは実は非常に大事な考え方なのだと、あらためて考えました。