顧問先の常務からとても興味深い話をうかがいました。
家族で外食したときの話です。
ある中華料理店に入ると、店はガランとして客もまばらでした。
席につくと、中国人店員が愛想なく水を出し、ぶっきらぼうに注文を取り、さっさと店の奥に戻って携帯をいじっていました。
常務いわく、「普段の自分なら、こんな態度を見たら、家族がいようがいまいがメシなんか食わずイスを蹴っ飛ばして店を出る!」と思う、と(実際にこの常務はかなり血気盛んなタイプです(笑))。
ただ、この日はなぜか、「ちょっと違う考え方をしてみよう」、と思ったとのこと。
もしかしたら、この店員さんは
「恥ずかしがり屋なんだ。言葉もうまくできない。だから、お客さんとうまくコミュニケーションができないんじゃないか」と。
そういう目線で見ると、今まで腹が立っていた一つひとつの店員の言動が、逆に、外国でなんとか頑張って一生懸命生きていることの証のように見えてきた。
むしろかわいく見えてきた。
目の前のことをどう受け止めるかは、自分次第。
今までは自分のものさしだけで考えていたが、相手の立場に立ったり、違うものの考え方をしてみると、実は今までとまったく違ったものが見えてくるということに気づいた、と。
確かに、私自身も心あたることがたくさんあります。
自分が何かに腹を立てているときというのは、冷静に分析すると、たいていは「自分の思っていること、考えていることと違う」という場面です。
なぜ違うのか?、他の考え方はないのか?、相手はどう思ってそれをやっているのか?、ということはあまり考えません。
つまり、すべて私のものさしを基準にして事実を解釈しているのです。
人間ですから、いつも冷静に客観的になるのは難しいです。
でも、もし相手のものさし、違うものさし、でものを見ることができるようになったら、私の人生は2倍、3倍充実するのではないでしょうか。
少しずつ、自分の人生に良い影響力を与えるような考え方になっていきたいと、あらためて思いました。