先日、顧問先の工場で起こったことです。
パート社員さんたちに新しい業務を覚えてもらうため、まずはベテラン社員のやり方を見てもらうことにしました。
また、それがいつでも見られるような映像マニュアルを作成するため、実際の仕事の様子をビデオ撮影しました。
ビデオを撮り進めていると、当初思いもしなかったことが発見されました。
ベテランの人たちは、当然会社が決めた正しいやり方でやっているのかと思いきや、独自のやりかた、工程とばし、手抜き・・・等々、とうていこれから仕事を覚える人に見せられないような映像が出来上がってきました。
社長も相当ショックのようでした。
もちろん、ベテランになれば仕事の習熟度も上がっています。
彼らのおかげで会社がなりたっているのは言うまでもありません。
感謝しつつも、一度、ベテラン社員の仕事のやりかたを再確認してみてください。
日々の「仕事」が「作業」になってしまっていれば要注意です。
作業というのは、楽にできるのであれば誰でもそちらを選びます。
ベテランであるがゆえに、同じ結果を出すための手の抜き方、自分なりのやり方、つまり、「楽な作業方法」のノウハウを蓄積していきます。
もちろん、それが効率化、改善、品質向上につながるのであれば、大いに結構です。
一方で、「仕事」というのは、一つひとつの工程に必ず意味があるはずです。
顧客満足のためには、一個の動作がとても大きな意味を持っていることもあります。
しかし、それを実行する現場の人が目的を理解せず、単なる「作業」として受け止めているなら、必ず上記のような結果になるはずです。
ベテランの技の真偽をしっかりと見極めてみてください。