私の顧問先企業の一つに、毎年この時期(1~2月)が売上・利益ともに厳しくなる業界があります。
苦しくなることはわかっているのだから、とにかくこの時期を乗り越えるための具体的施策を打ち続け、目標との差異を埋めるために高速PDCAを回し続ける・・・、という話はいつも社長としています。
一方で、こんな時期だからこそ、目先の数字に一喜一憂するのではなく、将来のために経営の原理原則を思い出してみることが大切なのではないか、とも伝えています。
ドラッカーいわく、企業の目的は「顧客の創造」、つまり、新規、既存にかかわらず、お客様を作っていくこと。
そしてそのためには、「マーケティング」と「イノベーション」が必要である。
「マーケティング」とは、顧客の欲求からスタートすること、つまり、お客様視点に立ち、お客様のお役に立つために何ができるのかを徹底的に考えること。
「イノベーション」とは、新しい満足を生み出すこと、つまり、常に成長、変化し続け、よりよい製品、サービス、価値を提供し続けること、だと。
苦しいときは、とかく、目の前の数字を追いかけることで頭がいっぱいになってしまいます。
もちろん、それは必要なことです。
一方で、そんなときこそ、自社の欲求のみを追い求めて顧客視点が欠落してしまったり、新しい価値を提供するどころか、今までのやり方にしがみついて、ただ根性論だけで数字を追いかけていたりします。
目先の数字を追いかけることが、実は将来の数字を奪っていることにもなりかねません。
現場のマネジャーからすれば、偉そうなことを言っても、数字が取れなかったらどうにもならないだろうと言われてしまうかもしれません。
しかし、だからこそ、「苦しいときこそ先を見る」ということをあえて現場のみなさまに伝えることも大切だと思っています。