毎年春節明けに顧問先の中国工場視察のために出張しています。
現地幹部の白酒(ぱいちゅう)の歓待にもだいぶ慣れてきました。
3年前、はじめて上海空港に降り立ったときには、PM2.5で空気がよどみ、マスクなしには呼吸できない環境でした。
工場のある泰安という地方都市は、土地開発バブルこそ到来していましたが、まだまだ沿道は雑多で汚い感じが残っていました。
ところが、この一、二年で中国の印象がガラッと変わってきています。
相変わらず空気はよどんでいますが、東南アジアの新興国に比べると格段に空気がきれいになっています。
沿道も心なしかきれいになっています。
また、人々の車の運転がすこし丁寧になっています。
何より驚いたのが、これまでどこに行っても緑がなく殺伐とした景色だったのが、打って変わってすさまじい数の街路樹が植えられていたことです。
そりゃやりすぎでしょ、と突っ込みたくなるほどの1m間隔くらいで幹線道路沿い、新幹線の線路沿いにはびっしりと木が植えてありました。
同時に、あちこちの畑が「木畑」になっていました。
さすが中国。
やることが半端ない、木を植えると決めたら徹底的に植えるのでしょうね。
そのために、街路樹栽培バブルが起きているのではないかと勝手に想像しています(笑)。
いずれにしても、今までは中国が新興国から経済大国へ成長していく第二ステージでした。
日本の高度経済成長期と同様に公害や安保、人権など様々な問題に目をつぶりながらひたすら成長してきました。
そして、この一、二年でいよいよ成熟社会という第三ステージに入りだしたのかもしれません。
国に余裕がなければ、「木を植える」などということはできません。
私達の心の中には、いつまでも中国を下に見る気持ちが残っています。
これからは、いよいよ抜本的にその考えを改めていかないといけない段階に来ていると感じています。