企業が成長し続けるためには、変化し続けることが必要です。
しかし、長年慣れ親しんだやり方や習慣を変えるのは容易ではありません。
経営者は不退転の決意で突き進んでいかなければなりません。
結果が出ないと、「以前のほうが良かった」と社員が言います。
言わないまでも、心の中では思います。
そんな心理的抵抗を振り払って、前進するしか生き残る道はありません。
では、本当に人を変えることはできるのでしょうか?
「7つの習慣」(スティーブン・コヴィー著)に以下のような一節があります。
『ロケットが上昇する最初の数分間、数キロで必要としたエネルギーは、それから後の数日間、約70万キロにも及ぶ旅をするために使用したエネルギーをはるかに上回るものであった。
それと同じように、習慣も極めて強い引力を持っている。
それはたいていの人が考えている以上のものである。
後まわし、短気、批判、わがままなど、生活を支える原則に反する深く根づいた癖を捨てることは、弱い意志とわずかな努力だけでできるものではない。』
一般的には、人が変わるということは、強烈な意志と努力なくしてできないということです。
自分で変わろうと思ってもそれだけハードルが高いのに、他人に言われて変わるなど不可能に近いと思います。
ですから、表題の「人を変えることは可能か?」という質問には、「不可能です」と答えます。
しかし、ちょっと違う切り口で考えると、「可能です」となるのではないでしょうか?
先日、顧問先の専務に教えていただいた話です。
「人を変えることはできない。
しかし、環境を変えることはできる。
環境が変われば、その中にいる人が変わる。
結果として、人を変えることができる」
「環境」を「仕組み、ルール、やり方、人事異動、給与体系」などと解釈してみるといかがでしょう。
社員に意識改革を促すために、経営者が熱く語り続けることは大事です。
それと同時に、環境を変えてしまうことを考えてみてください。