先日、顧問先企業でパート・アルバイトを含めた全従業員を対象にした社内アンケートを実施しました。
職場内で何か問題があれば無記名で自由に書いてください、という単純なものです。
全従業員の7割の人に提出をしていただけました。
この会社の「社員の問題意識の高さ」という点ではまずまずの結果であり、第一ステップクリアです。
次に大事なのは、その中身です。
各人が「問題」として取り上げているものが、実は単なるその人の「不平不満」なのか、「会社として解決すべき問題点=課題」なのか、の見極めが大事です。
前者は原因がその人自身にあることが大半です。
この手のアンケートを実施すると、必ず「給料が安い」「休みが取りにくい」という意見が出ます。
例えば、「給料が安い」と書いた人が、与えられた仕事を人と同じようにやっている、誰でもできる仕事を淡々とやっている、言われたことを言われた通りにやっている、などであるならば、残念ながらその人の言う通り給料は安いでしょう。
それはほぼ事実です。
でも、会社はけして安い給料しか払いたくない、従業員を安月給で使えるだけ使いたいと思っているわけではありません。
誰もできない仕事、創意工夫、組織を変える、引っ張る、仕組を作るような仕事をする人にはお金をいくら払っても惜しくありません。
もし、そういうことをしていないのであれば、給料の安い原因は自分にあるので、単なる不平不満です。
一方で、誰もできないような仕事をしているにもかかわらず、本当に給料が安いのであれば、その人はいずれ辞めてしまい会社にとって大損失になります。
これは会社の課題として解決していかなければなりません。
ということで、正直にアンケートを書いていただいた従業員のみなさまに感謝しつつも、経営者としてはその結果に一喜一憂せずに、内容を精査していかなければなりません。
ただし、単なる不平不満であったとしても、社員にとってはモチベーションが下がる一要素です。
無視するのではなく、管理職のみなさまとよく話合って、管理職が主体になって現場レベルで解決していけるようにアシストするのが経営者の仕事だと思います。