経営者向けコラム

自然の法則、再び

今年もいよいよあと数日で終了します。
今年は御社にとってどんな年だったでしょうか。
社史に刻まれるような充実した1年を送れたでしょうか。

昨年の同じ時期に、ぜひ、幹部のみなさまと一緒に「今年の漢字」を発表し合ってください、というご提案をしました。
ご存知のように、毎年、日本漢字能力検定協会が、今年の世相を反映した漢字一字を公募・発表しています。
今年の漢字は「北」。
ぜひ、今年も幹部のみなさまと「わが社の今年の漢字一字」を発表し合ってください。

さて、今年4月のこのブログで「自然の法則」というお話を書きました。
「失敗」する社長は必ず「自然の法則」に反する決断・行動をしている。自然界は単純明快。
「成果」つまり「果実がなる」には、「まくべき種を、まくべき時期に、まくべき場所に蒔く」しかない。
種をまかずに収穫することはできない、という話です。
今年の締めくくりとして、あらためてこの「自然の法則」を取り上げます。

20代30代の社長はまだまだ感じないかもしれませんが、40代になってくると若い頃のような精神・肉体は維持できません。
これも自然の法則です。
今までは「俺が一番」で経営をしてきた社長も、これからは「俺が一番ダメ、だからみんなに助けてもらって良い会社を作っていく」という発想に切り替えざるを得なくなります。
この切り替えができず、いつまでも自分が現場のすべてのことをやっていたら、いつまでたっても幹部も社員も成長しないだけでなく、自分の衰えとともに会社も衰退してしまいます。
自分の仕事を次の世代に渡し、渡された人がやっていた仕事をまた次の世代が引継ぎ、みなが1つ上の仕事をしていく。
誰よりも経験と実績のある社長は、大局観を持ってもっと先の将来を見越した仕事に専念する。
まくべき種を、まくべき時期に、まくべき場所に蒔く、のが社長のやるべき仕事です。
自然は「肉体の衰え」という形で、私たちにきちんとサインを送ってくれています。
そのサインをしっかり受け止めて、社長がやるべき仕事の「質」を変えていくことこそが、「自然の法則」なのではないでしょうか。

技術を磨くより心を磨く。
自分を信じるより社員を信じる。
利己よりも利他。

今年も一年間ありがとうございました。
来年もまたよろしくお願いいたします。