経営者向けコラム

現場で起こっていること

会社が大きくなればなるほど、社長が現場のことを逐一把握することは不可能です。
逆に言えば、どんどん実務を社員に任せていくからこそ、会社も成長発展する、ということでしょう。
しかし、任せていく過程で、会社にとって本当に大切なことを社員としっかり共有していますか?
会社にとって大切なことは何なのか?
それぞれの会社にとっての理念、価値観、社長の思い、などがあるでしょう。
しかし、どんな崇高な理念があろうとも、この一点を忘れたら絶対にダメです。

「お客様がいて初めて利益が生まれる。利益なくして会社は存続できない。」

あなたの会社の現場では、社員が常にお客様のことを考えて仕事をしていますか?
お客様の立場で、お客様の気持ちになって仕事をしていますか?
これは社員よりお客様優先ということでもないですし、お客様の無理な要求を受け入れろと言っているわけでもありません。
お客様から適正な利益をいただく。
それはお客様がいるからこそ可能となる。

直接お客様と接する営業や販売部門の社員ですら、お客様のことなど考えずに仕事をしています。
ちょっとした問合せに、お客様の気持ちで対応していますか?
モノを作りながら、お客様のことを考えていますか?
クレームが起きた(お客様にあきらかな迷惑をかけた)ときですら、自分たちの身を守っていませんか?
正直言って、私は様々な場面でそんな状況に遭遇します。
そのたびに、
「この現場の人たちがやっていることを、ここの社長は知っているのかな」、
「俺がここの社長だったら、顔面蒼白になるな」と思います。

これは社員が悪いわけではありません。
社員はあくまで会社からお給料をもらっている人。
だから会社、または自分を第一に考えるのは当然です。
だからこそ、社長が現場に仕事を任せる過程で「お客様がいて初めて私たちの利益がある」という会社にとってシンプルな事実を本気で共有していかなければならないのです。
社長の責任です。
あなたの会社でも、現場では常にお客様をないがしろにした事象が起きている、ということを忘れないでください。