6月6日付の日経新聞1面「春秋」欄に、面白い話が載っていました。
                  産業能率大が上場企業の課長クラスを対象に行ったアンケート結果によると、課長さんが今悩んでいることの、第3位は、「上司と考えや意見が合わない」。
                  第2位は、「業務が多すぎ余裕がない」。
                  そして、第1位は、「部下がなかなか育たない」で、4割強の上司が悩んでいるとのことです。
                  
                  2位、3位については、中間管理職としての大変さがひしひしと伝わってきます。
                  
                  しかし、世の課長さんたちの圧倒的な1位のご意見に関しては、ちょっと異論があります。
                  
                  私も、コンサルティングの現場でこの声はよく耳にします。
                  直接管理職の方からこの悩みを聞くことは日常茶飯です(たしかに、1位ですね!!)。
                  
                  しかし、話を聞けば聞くほど、このことで悩んでいる人は、「部下がなかなか育たない」のではなくて、
                  「部下が俺の思ったようにやってくれない」
                  「俺と同じレベルに到達していない」
                  「俺の期待通りになっていない」
                  「何を考えているのか分からない(=俺の考え方とは違う)」・・・
                  というようなことを指していることが多いです。
                  
                  
                  部下はそれなりに育っています。
                  自分が部下の年齢だったときのことを思い出してください。
                  そんなにすごかったですか?
                  
                  「最近の若いヤツは・・・・」というボヤきが、ローマ時代からなされていたというのは笑い話でよく言われますが、この悩みはそのレベルではないでしょうか。
                  
                  ただでさえ業務量が多すぎ余裕がない(2位)中で、社長や部長にあれこれ言われて(3位)、自分の分身がもう一人いたらいいと思う気持ちはよくわかります。
                  しかし、部下がそのレベルになるには、今の自分と同じ経験とキャリアと給料がないとムリですよね。
                  
                  そう考えると、「今の部下の年齢でそこまでできているのは、逆にすごいよ!」と思えることがたくさん見えてくるのではないでしょうか。
                  そのうえで、まだまだ足りない部分を成長させるにはどんな経験を積ませればいいのか、という視点で考えていくとよいと思います。










