先日、ある自治体の土地開発公社から呼ばれて、お役所の人たちと工業団地の開発と企業誘致の件で打合せをしていた時の話です。
                  
                  日本全国どの自治体も企業誘致に力を入れておりますが、特に自治体側のご要望としては、大規模製造業、それも自動車関連ではなく電機関連ならなお良いとのことでした。
                  
                  御存知のように、アベノミクスによる円安効果で自動車業界の3月決算は好調です。
                  一方、電機業界はそこまでのメリットを享受しきれていないのが現状です。
                  どちらかというと、円安よりもリストラ効果での益出しになっています。
                  
                  このニュースが私の頭の中にあったので、自動車よりも電機がいいというお役所の言葉が不思議でした。
                  この人たちは世の中の流れをわからないのかな・・・?
                  とも思いました。
                  
                  しかし、しばらく雑談していると理由がわかりました。
                  
                  自動車の場合は、工場が高度にオートメーション化されているために、工場の規模の割には地域の雇用人数が少ない。
                  それに比べて電機関係は多くの人を雇用するため、地域の雇用対策と活性化につながるので、自治体としてはそちらのほうを誘致したいとのことでした。
                  
                  なるほど、これでニュースと現実が自分の中でつながりました。
                  
                  結局、電機関係は多くの人を雇用するため、人件費負担に耐えられずどんどん海外に移転していきました。
                  また、国内に残ってもメーカー各社が大規模なリストラをしています。
                  
                  一方で自動車はそこまでの人件費負担がないため、高度な工場を国内に維持しています。
                  当然、円安になれば輸出のメリットを大いに受けます。
                  
                  逆に電機は海外生産による輸入が多く、デメリットになってしまいます。
                  半導体がコケて、現在家電メーカーの頼みの綱の白物家電などはとくに輸入比率が高いです。
                  
                  なるほど。
                  
                  普段あまり考えてもいませんでしたが、ちょっとした仕事中の雑談の中からニュースと現実が結びついた瞬間でした。










